パンデミックとは?
現在、コロナウイルス渦まっただ中ですが、かつて人類は何度もパンデミック(世界的流行病)に晒されてきました。
人類は狩りをして食料を集めていた時代から、農耕をして食料を作るように社会の形態が変化していった時代に平行して家畜を飼い始めました。動物を飼育して農業に役立てたり、食用にしたり、あるいは動物の乳を搾って飲むようになりました。
家畜を飼うようになって人間の生活が一変していくのと同時に、いくつかの問題が生じてきました。
例えば、乳製品。今でこそ我々は当たり前のように飲んだり食べたりしているヨーグルトや牛乳、ああいったものを人類ははじめは消化できなかったのです。おなかめっちゃ壊しながらも乳牛を飲んでお腹を壊し、それでも何度も飲んで何世代も経るうちに動物の乳を胃で消化できるようになったのです。つまり身体に免疫ができたのです。キノコ類や草などとも同じで、現代の人類の食生活が整うまで身体が色々な食べ物を消化できるようになったのです。
結局、人間って何にでも慣れるものなのです。身体も食べているうちに受け入れるようにできているのです。
人類にはじめに訪れたパンデミック
そしてもう一つ、大きな問題となったのが病原菌です。動物を家畜化することで、動物に寄生している微細なウイルスが人類の身体に侵入きました。腹を壊すどころの問題ではなく命に関わる問題が発生しました。
ウイルスや細菌などの病原菌に対し、私たちの祖先の大部分が死滅していきました。それでも持ちこたえて、人類の何人かに病原菌に耐える免疫が生まれました。この免疫をもった人類の遺伝子が何世代も掛けて現在生き残っている人類の子孫である我々に満遍なく行き渡り、現代人は多くの免疫をもった先祖の末裔として今日に至ったのです。
ちなみに未開の地に暮らしている人間は、文明人が保有している病原菌への免疫がないため、近づくと死んでしまうそうです。
我々は犬や猫に少しくらい舐められても免疫が備わっているので、全然平気なのです。
家畜から人へ・ウイルスと細菌が生み出した感染症
人類は動物を家畜として育て始めました。初めはいろいろな動物を飼育し、大型哺乳類が全部で148種類いるそうなのですが、家畜として選ばれたのが12種類です。
他の動物は、家畜には不向きでした。
現在、ペットとして飼われているオーソドックスな動物は犬と猫ですよね。
猫も元来、人間と暮らすに不向きな動物なのです。猫は猫化の肉食獣を何世代も掛けあわせて現在の可愛らしい猫の姿になったのですが、人間になつくまでは時間を要しました。今でも、犬と違って猫ってマイペースですよね。他の動物もあんな感じで、キツネとかタヌキなんかもペットにはならないのです。
では、上述の12種類が家畜にできたのか? それには、条件がありました。
人間も社会的な動物なので、このような条件がない動物は人間に全く馴染みません。
そして、この選ばれた12種の動物が人類に脅威をもたらしました。それが「細菌」と「ウイルス」です。現在、ペットとして飼われている動物はもちろん病原菌を保有していますが、文明人は全員、くまなく免疫をもっているから大丈夫なのです。
新型コロナウイルスについて
コロナウイルスは、まさに人間が保有していないコウモリが保有していたウイルスが人間に取り付いたことから始まりました。その始まりは中国・湖北省の武漢でした。
同様の成績は香港大学のラウ(S. K. Lau)により同じ時期に発表されました(Lau, S.Kら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 102, 14040, 2005)。彼らは59匹のキクガシラコウモリ(Rhinolophus sinicus)の肛門ぬぐい液のうち23匹でPCRによりSARSコロナウイルスの遺伝子を検出したのです。
こうして、二つのグループからキクガシラコウモリが自然宿主であることが確かめられました。「日本獣医学会HP」より
本当迷惑な話、人間と野生動物とは線引きがされていて、なるべく近寄らない・食べないという状態が保たれているのですが、中国武漢ではどうやら何種類もコウモリを食べる習慣があり、今回キクガラシコウモリから人に感染し、新型コロナウイルスに発展したようです。
ウイルスとは何か? ウイルスと細菌の違い
ウイルスに関してはいろいろな本が出ていますが、福岡伸一著「生物と無生物の間」(講談社現代新書)という本を読むことをお勧めします。
そもそもウイルスや細菌とは、生物なのか? ここのところの話は非常に入り組んでいます。結論からいうと、ウイルスは生物としては認められないとしている本や見解が多く、細菌は、それ自体で生物であるという見解が多いです。
というのも、「そもそも生物とは何か?」という問いから始まる生物学のお話しになります。生物の条件は次の通りです。
ウイルスは細胞を構成単位とせず、自己増殖はできないが、遺伝子を有するという、非生物・生物両方の特性を持っている。
ウイルスについて
ウイルスにはRNA型とDNA型があるそうです。詳しくは動画なんかで少し視聴してみてください。すぐわかります。お勧めはYouTube大学です。オリラジのあっちゃんの漫談ですが、思った以上に専門的です。
それで問題は病原菌が人間に取り付いてどんどん変化してしまうということです。そうなるとワクチンをいくら開発しても違う型のウイルスがいくつも出てきてしまう。ですから、いくら薬作っても次から次へと新種の病原菌がこれからも人類に猛威をふるうでしょう。そう考えると、コロナウイルスを克服したとしても次また同じようなことがあるのです。しかし、悲観的なことばかりでもありません。
病原菌を克服するのに最も大事なこと
人間がウイルスや細菌などの病原菌に対して行う最も重要なことを一つあげろといわれれば、迷わず「どんな病原菌にも対抗できる免疫力を高める」ということに帰着します。次に重要なことは「身の回りを清潔にしておく」ということです。
ヨーロッパでは「免疫力を高める」ことが一番重要だというのはスタンダードな考え方になっているらしいのです。日本人の場合、どうしても「周りを清潔にして無菌状態にする」という考え方をする人が多いようです。しかし、社会情勢によって生活水準を保つことができなくなる場合もあります。震災や豪雨などで不衛生な状況で日々を過ごさなければならないこともあるでしょう。
そういった事も踏まえて、最重要課題は免疫を高めるということなのです。
免疫力を高めるということは全ての病気に有効です。それが例え癌であっても、それが例えインフルエンザであっても。重要なことは免疫力が高いということで克服の可能性が大きくなります。
では免疫力を高めるにはどうしたらいいか?
免疫力を高める方法
免疫力を高める方法は医学的には、「適度の運動をして身体づくりをする」「バランスのとれた食事をする」「睡眠を十分取る」などが上げられますが、疲れていたり・体温が低かったり・睡眠不足だったり・空腹だったありすると免疫力が下がるので端的にいって、体調を万全にしておくこと。これに尽きます。
どんな本を読んでも、専門家のサイトを見ても書いてあることは同じです。急な病原菌との遭遇があって、身体にウイルスや細菌が侵入してきても免疫がフル稼働するほど体調が万全なら基本、病原菌が入ってきても普段通りなんだそうです。
問題は病原菌が身体に侵入していた時に「疲れている」「体温が低い」「睡眠不足」だったりすると防ぎきれずに体温が上がったり、身体がだるくなったりするのです。これはコロナウイルスに対しても同じ事です。ただコロナウイルスの場合、爆発的な感染力があるためにちょっと疲れていたりするとすぐに感染してしまうし、基礎疾患のある人には合併症の恐れがあるので注意が必要なのです。
風邪と変わらないコロナウイルスが何故脅威なのか? それはコロナウイルスの感染力の強烈さと基礎疾患がある人にとって命に関わるという意味で今回のコロナは脅威なのです。
だからこそ予防をしながら体調だけは万全にしておくことが大事なのです。体調がいいときにコロナウイルスとたまたま遭遇するのと、調子がよくないときに遭遇するのとでは結果が違ってきます。ウイルスとの遭遇のタイミングで命に関わってくるということもありうるのです。
専門の企業さんの外部リンク貼っておきます。

特に、睡眠は病原菌と闘う上で重要な要素なのです。睡眠不足だけはどうしようもなく、風邪にも罹りやすいようです。食事面の重要性も認識しなければなりませんが、「温かくして体温を保つこと」と「常に睡眠だけは十分取っておくこと」。たとえコロナウイルスと接触をしても身体の丈夫な状態を維持しておくことが病原菌に打ち勝つ最善の策なのです。コロナウイルスが爆発的な感染力だからこそ遭遇しても重症化しないための「免疫を高めて」体調だけは万全にしておくことが重要なのです。